SNS や広告の数字には、アルファベット 3 文字の指標がたくさん出てきます。似た名前が多く、どれを何のために見るのかが分かりにくいのが悩みどころです。
このページでは 17 の指標を「人や訪問の数え方」「広告費の指標」「成果と採算の指標」「考え方の枠組み」の 4 つに分けて説明します。最後の表で、指標どうしのつながり(何を何で割ったものか)も確認できます。
知りたい指標が決まっている方は、各用語の見出しから直接お読みください。
人や訪問の数え方(DAU・WAU・MAU・セッション・PV・直帰率)
サービスを使っている人の数(DAU・WAU・MAU)と、自社サイトを見に来た人の動き(セッション・PV・直帰率)です。前者は SNS やアプリそのものの大きさ、後者は自社サイトへの流入後の動きを見るために使います。
DAU#
Daily Active Users。1 日あたりのアクティブユーザー数。SNS プラットフォーム自体の規模を表す代表指標。DAU は各社とも非公表のことが多く、数字を引くときは各社の決算資料や公式発表で出典を確認する。
WAU#
Weekly Active Users。1 週間あたりのアクティブユーザー数。DAU と MAU の中間指標で、コミュニティ機能やニュース系サービスで重視される。
MAU#
Monthly Active Users。1 ヶ月あたりのアクティブユーザー数。プラットフォーム選定の判断材料として使う。数字を引くときは、各社の公式発表か第三者の推計かを区別して出典を確認する。
セッションせっしょん#
Web 解析で 1 ユーザーがサイトを訪問してから離脱するまでの一連の行動。GA4 では、10 秒以上継続する・キーイベント(CV)が発生する・ページビューまたはスクリーンビューが 2 回以上発生する、のいずれかを満たすとエンゲージメント セッションとして数える〔出典: Google アナリティクス ヘルプ「エンゲージメント セッション」〕。
関連用語:PV(ページビュー)直帰率(バウンス率)
PV(ページビュー)PV#
Page View。ページが表示された延べ回数。1 セッション内で複数ページ閲覧されれば PV はそのページ数。SNS 流入の場合 1 セッション 1 PV になりがちなため CTA 設計が重要。
関連用語:セッション直帰率(バウンス率)
直帰率(バウンス率)ちょっきりつ#
1 ページだけ見て離脱したセッションの割合。GA4 ではエンゲージメントしなかったセッションの割合として再定義されている。
広告費の指標(CPM・CPC・CTR・CPA・CAC)
広告にかけた費用を、表示・クリック・成果(CV)・顧客 1 人といった単位で割った指標です。割る相手が違うだけで、どれも「1 つ増やすのにいくらかかったか」を表しています。CTR は広告が表示されたうち、クリックされた割合です。
CPM#
Cost Per Mille。1,000 インプレッション獲得に要する広告費。相場はオークションの状況(競合の入札・配信時期・ターゲット範囲など)で変わり、Meta・TikTok とも業界平均額は公表していない。配信ターゲット範囲が狭いほど CPM は上昇する傾向がある。
CPC#
Cost Per Click。1 クリック獲得に要する広告費。金額は媒体・業種・配信時期で決まるため、自社の広告管理画面の実績で見る。
CTR(クリック率)CTR#
クリック数 ÷ 表示数 × 100%。YouTube では「インプレッション CTR」としてサムネイル / タイトルが表示された回数のうちクリックされた割合を指す。SNS 投稿のプロフィールクリック率も CTR の一種として計測する。
CPA#
Cost Per Acquisition / Action。1 CV 獲得に要する広告費。水準は商材と業種で大きく違うため、自社の過去実績と比べる。CPA が LTV を下回れば事業として黒字。
関連用語:CV(コンバージョン)LTV
CAC#
Customer Acquisition Cost。1 顧客獲得の総コスト(広告費 + 営業コスト + マーケ運用費)。LTV と CAC の比率で採算を見る。
成果と採算の指標(CV・ROAS・ROI・LTV)
目標の達成数(CV)と、かけた費用に対して得られた売上や利益の大きさ(ROAS・ROI・LTV)です。広告費の指標だけでは「安く取れたか」しか分からないので、売上側の指標と合わせて採算を判断します。
CV(コンバージョン)CV#
事業上の目標達成数。EC では購入数、サービス業では予約・問い合わせ数、SaaS では新規登録数を指す。SNS マーケでは『SNS 経由 CV』を計測するためにアトリビューション設計が必須。
ROAS#
Return On Ad Spend。広告経由売上 ÷ 広告費 × 100%。何 % を良しとするかは、粗利率・客単価・LTV から自社で決める。新規獲得が目的なら、初回の購入だけでは赤字でも許容する場合がある。
ROI#
Return On Investment。(売上 - 投資額) ÷ 投資額 × 100%。広告費だけでなく制作費・運用工数を含めた総投資額で算出するため ROAS より厳しい指標。
関連用語:ROASCV(コンバージョン)
LTV#
Life Time Value。1 顧客が生涯にわたって企業にもたらす総売上。サブスク・リピート EC では LTV が高くなり、CPA を多めに払っても黒字化できる構造になる。
考え方の枠組み(AIDA・NPS)
数字そのものではなく、どの段階でどの数字を見るかを整理するための考え方です。AIDA は購買までの流れ、NPS は「この商品を友人に勧めたいか」という問いから顧客のロイヤルティ(愛着)を測ります。
AIDA(認知から購買までの段階モデル)AIDA#
Attention(認知)→ Interest(興味)→ Desire(欲求・検討)→ Action(行動)の購買行動モデル。SNS マーケティングでは Loyalty(ロイヤルティ)を加えて捉え、各段階に到達数・エンゲージメント率・保存数・CV などの KPI を割り当てて設計するのが定番。
NPS#
Net Promoter Score。『この商品を友人に勧めたいか』を 0〜10 の 11 段階で聞き、推奨者(9〜10)の割合から批判者(0〜6)の割合を引いた数値〔出典: Net Promoter System 公式サイト〕。ロイヤルティの代表指標で、ファン化施策の効果検証に使う。
指標のつながり(何を何で割ったものか)
各指標の定義にある式を、並べ直したものです。数字の例は書いていません。自社の数字を当てはめて確かめてください。
| 指標 | 式 | 見るときのポイント |
|---|---|---|
| CTR | クリック数 ÷ 表示数 × 100% | 表示のうち、何割がクリックされたか。CPM が同じなら、CTR が高いほど 1 クリックの費用(CPC)は下がる |
| CPM | 1,000 回表示されるのにかかる広告費 | 表示あたりの費用。ターゲットを絞りすぎると上がる傾向がある |
| CPC | 広告費 ÷ クリック数 | 1 クリックあたりの費用 |
| CPA | 広告費 ÷ CV 数 | 1 件の成果にかかった費用。LTV より低ければ事業として黒字になる |
| CAC | 広告費 + 営業費 + 運用費 を顧客数で割ったもの | 広告以外の費用も含めた、1 顧客の獲得費用。LTV との比で見る |
| ROAS | 広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100% | 広告費に対する売上。何 % を良しとするかは、粗利率・客単価・LTV から自社で決める |
| ROI | (売上 − 投資額)÷ 投資額 × 100% | 制作費や運用の手間も投資に入れるので、ROAS より厳しい指標 |
読むときの注意
- 広告の単価や率(CPC・CTR・CPA など)の水準は、出典を確認できる公的な数字がないため、このページには載せていません。自社の広告管理画面の実績を見て判断してください。
- DAU・MAU などの利用者数は、各社の決算資料や公式発表で、公式の数字か第三者の推計かを確かめてから引いてください。