SNSはじめるくん

動物病院のインスタグラムの始め方

動物病院のInstagramを、開設からプロフィール、ハッシュタグ、獣医療法の広告規制まで順番にまとめました。そのままコピペして使えるプロフィール文4例と、実際に運用されている動物病院・トリミングサロン4アカウントの投稿48件から集計したハッシュタグを載せています。ルールの部分は、e-Gov法令検索の条文原本を実際に取得して読めた範囲だけを書いています。

個人動物病院向け

プロフィール実例と実測ハッシュタグ、獣医療法の広告規制【2026年版】

動物病院のInstagramを始める前に、押さえておきたい前提が1つあります。獣医療法第17条は「何人も、獣医師又は診療施設の業務に関しては、次に掲げる事項を除き、その技能、療法又は経歴に関する事項を広告してはならない」と定め、広告できる事項を専門科名・学位や称号などに限定しています。ただし第2項で「農林水産省令で定める事項は広告できる」としており、その施行規則第24条には17項目にわたる例外リストがあります。つまり「原則禁止・例外は農林水産省令の限定列挙」という構造で、あはき師法・柔道整復師法と似た枠組みですが、例外の数がずっと多く、健康診断やマイクロチップ装着、避妊・去勢手術など、動物病院の日常的な発信内容の多くがこの例外に該当します。何が広告できて何ができないかを、条文の実際の並びで確認してから始めると安全です。

最終更新: 2026-08-06

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動物病院が開設前に知っておくこと

広告の基本構造
原則禁止・農林水産省令が定める事項だけ例外的に広告できる(限定列挙)
禁止される表現
他院より優良である旨の広告・誇大広告は施行規則で明示的に禁止
併記が必要な場合
検査・手術・治療等を広告する場合は問い合わせ先・主なリスク・費用の併記が必須
獣医師法17条との違い
獣医師法17条は業務独占の規定で広告そのものは規制していない(別の条文)

開設〜運用開始までの4ステップ

アカウント開設からプロフィール設計、最初の投稿、運用リズムまでの順序。上から順に進めれば迷いません。

ステップ 1

アカウントを開設する

開設後すぐにプロアカウント(ビジネス)へ切り替えます。カテゴリはInstagramの候補の中から動物病院に近いものを選びます。

  • 設定 →「アカウントの種類とツール」→「プロアカウントに切り替える」を選ぶ
  • カテゴリは動物病院に近いものを選ぶ
  • ユーザーネームは院名+地域名にする
  • 投稿を作る前に下の「獣医療法の広告制限」を先に読み、何が広告できる事項かを把握しておく

動物病院ならでは: 獣医療法第17条は「何人も」に適用されるため、院長本人だけでなくスタッフが投稿する場合も同じ制約がかかります。開設直後に全員で条文の範囲を共有しておくと、あとから投稿を消す事態を避けられます。

ステップ 2

プロフィールを設計する

自己紹介文は、専門科名・学位や称号・診療日時・獣医師の役職や略歴など、施行規則第24条が認める事項の範囲で書きます。

  • 下の「そのまま使えるプロフィール文4例」から自分の形に近いものを選ぶ
  • 専門科名・獣医師の学位や称号・役職や略歴・診療日時など、施行規則が認める事項の範囲で書く
  • 他院と比較して優良である旨の表現(「地域No.1」「最新の設備」を比較文脈で使う等)は入れない
  • プロフィールリンクは初診予約ページ1本に絞る
  • ハイライトは「診療内容」「院内紹介」「予約方法」の3枠から始める

ステップ 3

最初の10投稿を準備する

投稿のテーマは下の「最初の10投稿」を順番に使います。検査・手術・治療の内容に触れる投稿は、問い合わせ先・リスク・費用の併記が必要になる場合があります。

  • 院内・獣医師紹介の投稿を先に揃える
  • 健康診断・避妊去勢手術・予防注射など施行規則が認める事項の投稿は、問い合わせ先・通常必要な内容・リスクや副作用・費用の併記を確認する
  • 患者ペットの写真は飼育者の事前同意(書面推奨)を得てから使用する
  • ペットの名前・飼育者名・病名を組み合わせて公開しない

ステップ 4

運用リズムを固定する

最初の10投稿を出し終えたら、無理のないペースで継続します。詳しい頻度は下の「投稿リズムの目安」を参照してください。

  • 投稿する曜日・時間帯をあらかじめ決めておく
  • 他院比較・誇大表現になっていないか投稿前に毎回見直す
  • 1週間続けたらインサイトでプロフィール表示数を確認する

そのまま使えるプロフィール文4例(動物病院)

〈 〉の中を自分の情報に置き換えれば、そのまま貼って使えます。獣医療法施行規則第24条が認める事項(専門科名・学位や称号・診療日時・獣医師の役職や略歴・健康診断やマイクロチップ装着などの実施事実)の範囲に収めています。

1. 犬猫中心の一般開業(完全予約制)

犬猫を中心に診療する、完全予約制の個人動物病院向け。

名前欄

〈院名〉|〈地域名〉の動物病院

自己紹介欄(78文字)

〈地域名〉にある動物病院です。
完全予約制/ホームページまたはお電話にてご予約ください。
診療日:〈月〜土〉/診療時間:〈9:00〜19:00〉
〒〈郵便番号〉〈住所〉 📞〈電話番号〉

リンク欄

予約ページまたは電話番号1本

実測したサニー動物病院・右京動物病院はいずれも所在地・診療体制・連絡先という、施行規則が認める実務情報を中心にプロフィールを構成していました。「地域No.1」「最新の設備」のような比較・優良性を示す表現は入れていません。

2. エキゾチックアニマル対応の動物病院

犬猫に加えてウサギ・鳥・小動物・爬虫類など幅広い動物種に対応する病院向け。

名前欄

〈院名〉|犬猫・エキゾチックアニマル対応

自己紹介欄(92文字)

〈地域名〉にある動物病院です。
犬・猫・ウサギ・鳥・ハムスター・爬虫類等に対応しています。
完全予約制/ホームページまたはお電話にてご予約ください。
〒〈郵便番号〉〈住所〉 📞〈電話番号〉

リンク欄

予約ページまたは電話番号1本

実測したサニー動物病院は、対応する動物種をハッシュタグ(#ウサギ #インコ #デグー #チンチラ #ハリネズミ #フェレット等)で1つずつ具体的に示していました。対応動物種の幅広さが専門性として来院動機になっている実例です。

3. 院長の顔が見える個人開業

院長1人または少人数で運営する、個人経営の動物病院向け。

名前欄

〈院名〉|院長〈氏名〉

自己紹介欄(68文字)

〈院名〉の公式アカウントです。
病院の日常を気ままにお送りします。
診療日:〈月〜土〉/診療時間:〈9:00〜19:00〉
ご予約・お問い合わせはお電話にて。

リンク欄

電話番号または予約ページ1本

実測した右京動物病院は「病院の日常を気ままにお送りします」という短い一文で、飼育者との距離感の近さを表現していました。専門科名や学位・称号などの限定列挙事項に無理に情報を詰め込まず、日常発信であることを明示する書き方です。

4. 動物病院グループが運営するトリミングサロン

動物病院グループが併設・運営するトリミングサロンのアカウント向け。

名前欄

〈動物病院グループ名〉 公式トリミング

自己紹介欄(97文字)

〈動物病院グループ名〉公式トリミング
〈エリア1〉・〈エリア2〉・〈エリア3〉にて実施中
パピー期からシニア期までおまかせください
〈店舗1〉(〈定休日1〉)☎️〈電話番号1〉
〈店舗2〉(〈定休日2〉)☎️〈電話番号2〉

リンク欄

各店舗の電話番号または予約ページ

実測した苅谷動物病院グループのトリミングサロンは、動物病院本体とは別アカウントとして運営し、店舗ごとの定休日・電話番号を並べていました。トリミング・グルーミングは診療行為ではないため獣医療法第17条の広告制限の直接の対象にはなりませんが、動物病院グループの名称を冠する場合は診療施設の名称と誤認されない書き方が安全です。

  • 〈 〉で囲んだ部分だけが差し替え箇所です。それ以外はそのまま使えます。
  • 獣医療法第17条は「原則禁止・農林水産省令が定める事項だけ例外」という構造です。ここに挙げた4例は、専門科名・学位や称号・診療日時・役職や略歴・実施事実(健康診断等)という、施行規則第24条が認める範囲に収めています。
  • 「地域で人気」「選ばれ続けて◯年」のような比較・優良性を示す表現は、施行規則第24条第2項が禁止する『他の獣医師又は診療施設と比較して優良である旨の広告』に該当するおそれがあるため入れていません。
  • 自己紹介欄は入力できる文字数に上限があるため、4例とも余白を残した長さにしています。

自分の病院の診療体制と対応動物種に合わせたプロフィール文は、ヒアリングに答えると無料で作れます。

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ハッシュタグ設計

動物病院・トリミングサロンが実際に付けているハッシュタグ

実際に運用されている動物病院2アカウント(投稿24件)とトリミングサロン2アカウント(投稿24件)を分けて集計しました。動物病院はハッシュタグ付き投稿12件(50.0%)、トリミングサロンもハッシュタグ付き投稿12件(50.0%)で、使われているハッシュタグの種類が業態によってはっきり違いました。個人の飼い主アカウント(動物病院・サロンの利用者アカウント)は事業者アカウントではないため集計に含めていません。

付け方の手順

  1. 動物病院は、対応する動物種を1つずつハッシュタグにする(犬猫のほか、対応していればウサギ・鳥・小動物・爬虫類など)
  2. 院名・所在地域のハッシュタグを毎回固定で使う
  3. トリミングサロンは店名・エリア名・業態名(トリミングサロン等)のハッシュタグを中心にする
  4. 「よく効く」「治る」等、施術・治療の効果を示すハッシュタグは獣医療法の広告制限に触れるおそれがあるため使わない
  5. 動物病院はハッシュタグ付き投稿でも平均2〜3個程度。無理に数を増やす必要はない

対応動物種のハッシュタグ(動物病院)

サニー動物病院が投稿ごとに使っていた枠。犬猫だけでなく、対応する動物種を1つずつハッシュタグにしていました。#イヌ・#ネコ が各5投稿、#ウサギ・#ハムスター・#トリ・#インコ・#モルモット・#デグー が各4投稿でした。

#イヌ #ネコ #ウサギ #ハムスター #トリ #インコ #モルモット #デグー #エキゾチックアニマル #チンチラ #ハリネズミ #フェレット #モモンガ

犬猫以外の対応動物種が多いほどハッシュタグの種類も増えていました。自分の病院が対応する動物種をそのまま1つずつハッシュタグにする、というシンプルな使い方です。

院名・地域名のハッシュタグ(動物病院)

各院が自分の院名・所在地域を毎回ハッシュタグにしていた枠。

#サニー動物病院 #篠ノ井 #右京動物病院 #右京区 #京都市 #動物病院

「#青い壁が目印」(4件)のように、外観の特徴をそのままハッシュタグにしている例もありました。地図アプリの情報だけでなく、通りがかりで気づく目印をハッシュタグにする発想です。

個体の状況を伝えるハッシュタグ(動物病院)

迷子・保護等、個別の状況を伝えるために使われていた枠(各1件)。

#迷子インコ #迷い鳥 #飼い主探してます

診療内容の宣伝ではなく、地域の飼育者への情報提供として使われているハッシュタグです。まとまった件数ではありませんが、地域密着の動物病院らしい使い方として実例に残っていました。

サロン名・地域名のハッシュタグ(トリミングサロン)

DogSalonPooが投稿の大半で使っていた枠。#dogsalonpoo が10投稿、#kawagoedogsalon・#trimmingsalon・#トリミングサロン が各5投稿でした。

#dogsalonpoo #kawagoedogsalon #trimmingsalon #トリミングサロン #トリミング #ドッグサロンプー #ドッグサロン #川越トリミングサロン

動物病院のハッシュタグとは種類がはっきり分かれていました。トリミングサロンは診療行為ではないため、対応動物種より店名・エリア名・業態名のハッシュタグが中心です。

集計元: 実際に運用されている動物病院2アカウント(ukyo.ah/sunny_animal_hospital・投稿24件)とトリミングサロン2アカウント(kariya_trimming/dogsalonpoo・投稿24件)(2026-08-06取得。各アカウント直近12件)。上に載せたハッシュタグはすべてこの集計に実際に出てきたもので、当サイトが作った例ではありません。

獣医療法の広告制限は、どこに何が書いてあるか

動物病院の広告は「原則禁止・例外は限定列挙」という構造で規制されています。以下は2026年8月6日にe-Gov法令検索の条文原本で確認した内容です。

  1. 原則: 技能・療法・経歴に関する広告は禁止(第17条第1項)

    獣医療法第17条第1項は「何人も、獣医師(獣医師以外の往診診療者等を含む。)又は診療施設の業務に関しては、次に掲げる事項を除き、その技能、療法又は経歴に関する事項を広告してはならない」と定め、広告できる事項を①獣医師又は診療施設の専門科名、②獣医師の学位又は称号の2つに絞っています。

  2. 例外: 農林水産省令(施行規則第24条)が定める17項目

    第17条第2項は「前項の規定にかかわらず、農林水産省令で定めるものは、広告することができる」と定め、施行規則第24条にその具体的な17項目が列挙されています。動物病院の日常的な発信に関わる主なものは、免許登録年月日・開設年月日、医療機器を用いた検査や手術等の治療、医療機器の所有、犬又は猫の生殖を不能にする手術(避妊・去勢手術)、狂犬病その他の疾病の予防注射、寄生虫病の予防措置、健康診断、マイクロチップの装着、獣医師の役職及び略歴です。

  3. 広告する場合の3つの制限(施行規則第24条第2項)

    上記の例外事項を広告する場合でも、施行規則は次の3つを禁じています。イ 提供される獣医療の内容が他の獣医師又は診療施設と比較して優良である旨の広告、ロ 提供される獣医療の内容に関する誇大な広告、ハ 検査・手術等の治療に関する事項を広告する場合、問い合わせ先・通常必要とされる診療内容・診療に係る主なリスクや副作用や費用を併記しない広告。

  4. 狂犬病予防注射・マイクロチップ装着は追加の併記義務あり

    施行規則第24条第2項二号・三号は、狂犬病予防注射に関する事項を広告する場合は狂犬病予防法上の登録・鑑札・注射済票の説明を、マイクロチップ装着に関する事項を広告する場合は動物愛護法上の登録に関する説明を、それぞれ併記しなければ広告してはならないと定めています。

  5. 獣医師法第17条とは別の条文(既存ページの誤りの是正)

    獣医師法第17条は「獣医師でなければ、飼育動物の診療を業務としてはならない」という業務独占の規定で、広告そのものを規制するものではありません。広告を規制しているのは獣医療法第17条・施行規則第24条です。両者は名前が似ていますが別の法律・別の条文です。

  • 獣医療法施行規則第24条第1項の17項目のうち、家畜伝染病予防法・農業保険法に関する項目(第12号〜第17号の一部)は主に畜産動物の診療施設を対象とするもので、犬猫中心の個人動物病院での使用頻度は低いと考えられます。本ページでは犬猫・エキゾチックアニマルを中心とする動物病院に関わりの深い項目を優先して紹介しています。
  • ここに書いた条番号・条文は、2026年8月6日にe-Gov法令検索の原文で確認したものだけです。

出典: e-Gov法令検索(獣医療法)e-Gov法令検索(獣医療法施行規則)e-Gov法令検索(獣医師法)

施行規則が認める事項の範囲で投稿企画を作りたい方へ。ヒアリングに答えると無料です。

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施行規則第24条が認める17項目の一覧

犬猫を中心とする個人動物病院での投稿に関わりが深い項目を中心に、17項目を実際の条文の並び順で並べました。自分の投稿がどの項目に当たるかをこの表で確認できます。

広告できる事項動物病院の投稿での使いどころの例
一号免許登録年月日をもって免許を受けていること・開設の年月日をもって診療施設を開設していること「開院◯周年」等の投稿
二号農林水産大臣の指定する者が行う獣医師の専門性に関する認定を受けていること認定専門医であることの紹介
三号医薬品医療機器等法の承認・認証を受けた医薬品や医療機器等を用いた検査・手術その他の治療を行うこと検査・手術の紹介(問い合わせ先等の併記が必要)
四号医療機器を所有していること院内設備の紹介
六号犬又は猫の生殖を不能にする手術を行うこと避妊・去勢手術の案内
七号狂犬病その他の動物の疾病の予防注射を行うこと予防接種の案内(狂犬病予防法上の説明の併記が必要)
八号寄生虫病の予防措置を行うことフィラリア予防等の案内
九号飼育動物の健康診断を行うこと健康診断の案内
十号動物愛護管理法上のマイクロチップの装着を行うことマイクロチップ装着の案内(動物愛護法上の説明の併記が必要)
十一号獣医師の役職及び略歴に関すること獣医師紹介投稿

獣医療法施行規則第24条第1項(2026-08-06取得)。第五号・第十二号〜十七号は家畜・畜産関連が中心のため省略。

  • この表は犬猫・エキゾチックアニマル中心の個人動物病院に関わりの深い項目を優先して抜粋したものです。全17項目の原文は上記の一次資料で確認してください。

実測: 動物病院とトリミングサロンでInstagramの使われ方はどう違うか

動物病院2アカウント・トリミングサロン2アカウントの投稿を見比べると、同じ「ペット関連事業者」でも投稿の中心が明確に違いました。

  1. 動物病院: 対応動物種そのものが個性になっていた

    サニー動物病院は、犬猫だけでなくウサギ・鳥・ハムスター・爬虫類まで対応動物種を1つずつ具体的に紹介していました。獣医療法の広告制限により症状や効果を語れない分、『何を診られる病院か』という事実の提示が投稿の中心になっていたと見られます。

  2. トリミングサロン: 店名・エリアのハッシュタグが投稿のほぼ全件に付いていた

    DogSalonPooは直近12投稿のうち10投稿に自店名ハッシュタグ(#dogsalonpoo)を付けていました。トリミングは診療行為でないため広告制限を受けにくく、店名の認知を積み重ねる運用がしやすい業態だと考えられます。

  3. 個人の飼い主アカウントは事業者と別枠で見る

    shibainu.berry(柴犬2頭の日常)はフォロワー12万人超の人気アカウントですが、個人の飼い主による発信であり、動物病院やトリミングサロンの事業アカウントとは性質が異なります。本ページのハッシュタグ集計からは除外しています。

SNSでの個別相談にどう対応するか

獣医療法とは別に、獣医師法第17条は「獣医師でなければ、飼育動物の診療を業務としてはならない」と定めています(業務独占)。DM・コメントでの個別相談への対応は、この条文との関係で考える必要があります。

  1. 個別の診断・処方に近い助言は避ける

    SNSのコメントやDMで個別のペットの症状について診断・処方に近い助言を行うと、実質的に「診療」とみなされるリスクがあります。「一般的な情報としては〜ですが、診察が必要です」というテンプレ対応をあらかじめ決めておくと安全です。

  2. 施行規則が認める範囲の一般的な情報提供は可能

    健康診断・予防注射・マイクロチップ装着など施行規則第24条が認める事項について、一般的な情報として発信すること自体は広告制限の例外に含まれます。個別の診断に踏み込まない範囲であれば、予防医療の一般的な解説投稿は可能です。

開設1週目から4週目にやること

4ステップを終えたあと、最初の1か月で手が止まらないように週ごとに分けました。

  1. 1.

    1週目: プロフィールと、院・獣医師が分かる3投稿

    プロアカウントに切り替え、上のプロフィール実例をもとに名前欄・自己紹介・リンクを埋めます。投稿は外観・院内・獣医師紹介の3本。専門科名・学位や称号・役職や略歴の範囲を確認しながら進めます。

  2. 2.

    2週目: 対応動物種の紹介と、ハイライト3枠

    対応する動物種を紹介する投稿を出します。ハイライトは「診療内容」「院内紹介」「予約方法」の3枠を作ります。

  3. 3.

    3週目: 健康診断・予防医療の一般的な情報提供

    健康診断・予防注射・マイクロチップ装着など、施行規則が認める事項について一般的な情報として発信します。問い合わせ先・リスクや副作用・費用の併記が必要な範囲かを確認します。

  4. 4.

    4週目: リールを1本と、数字の確認

    30秒程度のリールを1本出します。あわせてインサイトでプロフィール表示数を確認します。

次に決めたい動物病院のSNS設計

飼い主の安心感を、来院までの導線につなげる

院内やスタッフの紹介を揃えたら、飼い主がプロフィールから診療案内・予約へ進める導線と、投稿前の表現確認を整えます。

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動物病院のSNS戦略を見る

診療情報と飼い主の不安を解消する発信を、予約・来院につなげる運用計画を整理します。

SNSの法務ガイドを確認する

医療・広告表現、症例紹介、写真掲載の同意など、公開前に確認したい論点を見られます。

SNS運用の基本を確認する

診療情報の見せ方と、問い合わせにつなげるプロフィールの基本をまとめています。

最初の10投稿で何を出すか

フォロワー0の状態から見た人に「どんな店か・誰がやっているか」が伝わる10本。1日で揃える必要はなく、1〜2週間かけて順番に投稿すれば十分です。

  1. 1.

    院の外観・入口の写真

    初めて見た人が場所を把握できる外観・入口の写真。

  2. 2.

    院内(待合室・診察室)の写真

    清潔感・安心感が伝わる院内の写真。

  3. 3.

    獣医師の紹介

    専門科名・学位や称号・役職や略歴など、施行規則が認める範囲の紹介投稿。

  4. 4.

    対応動物種の紹介

    犬猫のほか、対応していればウサギ・鳥・小動物・爬虫類等を1つずつ紹介する投稿。

  5. 5.

    健康診断の一般的な案内

    施行規則が認める事項として、健康診断の一般的な情報を紹介する投稿。

  6. 6.

    診療の流れ紹介

    受付から診察までの流れをステップで紹介。初めての来院の不安を減らします。

  7. 7.

    予防接種・マイクロチップ装着の案内

    予防注射やマイクロチップ装着の事項を広告する場合は、併記義務の説明を添えて紹介します。

  8. 8.

    患者ペットの紹介(同意済み)

    飼育者の事前同意を得た患者ペットの紹介。

  9. 9.

    アクセス・診療時間の案内

    地図画像や最寄り駅からの道順、診療時間・休診日をまとめた投稿。ハイライトにも残します。

  10. 10.

    初めてのリール(院内紹介)

    院内を30秒程度で見せるリール。

最初の10投稿のネタが決まったら、動物病院専用の設計レポートを無料で作れます。

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最初の10投稿を出したあとの運用リズム

フィード週2〜3本、ストーリーズ週2〜3回、リール週1本が目安

無理に毎日投稿する必要はありません。継続できるペースを優先してください。検査・手術・治療に触れる投稿を出すときは、そのつど問い合わせ先・リスクや副作用・費用の併記が必要かを見直すことが重要です。

月間のフォロワー・予約数の目安や90日の実行プランは 動物病院・ペット業界 SNS 戦略 で詳しく解説しています。

参考にしたい動物病院の実在アカウント

実際に運用されているアカウントを見ながら、投稿の雰囲気やプロフィールの書き方を確認できます。

@ukyo.ah

右京動物病院

「病院の日常を気ままにお送りします」という短い自己紹介で、飼育者との距離感の近さを伝える個人開業型の動物病院の例です。

@sunny_animal_hospital

サニー動物病院

犬猫に加えてウサギ・鳥・ハムスター・爬虫類等、対応動物種の幅広さをハッシュタグで具体的に示している例です。

@kariya_trimming

苅谷動物病院グループ トリミングサロン

動物病院グループが運営するトリミングサロンの公式アカウント例です。動物病院本体とは別アカウントで運用しています。

開設直後にやりがちな失敗

1.

施行規則が認める事項以外の技能・療法・経歴を広告してしまう

問題: 獣医療法第17条は広告できる事項を専門科名・学位や称号(第1項)と、施行規則第24条が定める17項目(第2項)に限定しています。範囲外の技能・療法・経歴を広告すると違反のリスクがあります。

対策: 投稿の内容が施行規則第24条のどの項目に当たるかを確認してから公開する。判断がつかない場合は院内で共有できるチェックリストを作る。

2.

他院と比較して優良である旨の表現を使ってしまう

問題: 施行規則第24条第2項イは、他の獣医師又は診療施設と比較して優良である旨の広告を明確に禁止しています。

対策: 「地域で選ばれ続けている」等の比較表現を避け、自院の実務情報(診療日時・対応動物種等)で構成する。

3.

検査・手術・治療の内容を紹介するのに問い合わせ先やリスクを併記しない

問題: 施行規則第24条第2項ハは、該当事項を広告する場合、問い合わせ先・通常必要な診療内容・主なリスクや副作用や費用の併記を義務付けています。

対策: 検査・手術・治療に触れる投稿には、問い合わせ先とリスクや費用の情報を必ず添える。

4.

飼育者の同意なしに患者ペットの写真を投稿してしまう

問題: 個人情報保護法・飼育者感情への配慮を欠き、クレームに発展するリスクがあります。

対策: 初診時に「SNS掲載許可」の同意書テンプレを整備し、受付で必ず確認するフローを作る。

よくあるご質問

動物病院はInstagramで何でも自由に発信できますか?

できません。獣医療法第17条は、広告できる事項を専門科名・学位や称号(第1項)と、施行規則第24条が定める17項目(第2項)に限定する『原則禁止・例外は限定列挙』という構造です。範囲外の技能・療法・経歴を広告すると違反のリスクがあります。

獣医師法17条と獣医療法17条はどう違いますか?

獣医師法第17条は『獣医師でなければ飼育動物の診療を業務としてはならない』という業務独占の規定で、広告そのものは規制していません。広告を規制しているのは獣医療法第17条・施行規則第24条です。名前が似ていますが別の法律・別の条文です。

健康診断や予防接種の案内は投稿してもいいですか?

できます。健康診断・予防注射・マイクロチップ装着は施行規則第24条第1項が認める事項です。ただし検査や手術に関する事項を広告する場合は、問い合わせ先・主なリスクや副作用・費用の併記が必要な場合があります。

『地域No.1』『選ばれ続けて◯年』のような表現は使えますか?

使えません。施行規則第24条第2項イは、他の獣医師又は診療施設と比較して優良である旨の広告を明確に禁止しています。

SNSのDMで症状の相談を受けたらどう対応すればいいですか?

個別のペットの診断・処方に近い助言は獣医師法17条(業務独占)に抵触するリスクがあります。『診察が必要です』という一般的な案内にとどめてください。

患者ペットの写真はどう扱えばいいですか?

飼育者の事前同意(書面推奨)を得てから使用してください。ペットの名前・飼育者名・病名を組み合わせて公開しないよう注意します。

ハッシュタグはどれくらい付ければいいですか?

実測した動物病院2アカウントでは、ハッシュタグ付き投稿は投稿全体の50.0%でした。対応動物種と院名・地域名を組み合わせる使い方が中心です。

トリミングサロンも同じ規制を受けますか?

トリミング・グルーミングは診療行為ではないため、獣医療法第17条の広告制限の直接の対象にはなりません。ただし動物病院グループの名称を使う場合は、診療施設の名称と誤認されない書き方を意識してください。

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